2011年09月03日

アメリカン・ゴッズ<上・下>

あらすじ:
移民の国アメリカには人間が移民するとともにそれぞれの神々も移住していたのだった。信仰を失いつつある古代の神々は、テクノロジーやメディアという現代の新しい神々に最後の戦いを挑み、それになぜか主人公シャドウは巻き込まれる。

無理やり屁理屈こねてるようにも廚二病のようにも思えてしまう荒唐無稽なあらすじなのですが、読めばなるほどうむうむそうか上手いなあ、と納得の米国史ファンタジーでした。または文字通りの意味での神々の黄昏。人の移動と共に神々も移動し、信仰を失えば神は存在を失う、というのは言われてみればその通り。
シャドウが柱のように背が高いハンサムで、温厚でシャイで思慮深い好青年で、昔のハリウッド映画のカウボーイみたいなキャラクターなのもいいです。古代と現代の神々の間に立つのは古き良きアメリカ人、という構図。
それにしてもみんな北欧神話大好きだな。英語圏の人からしても名前がカコイイのでしょうか。

HBOでTVドラマ化予定だそうですが、派手なようで恐ろしく地味な話なのでダイジョブなのかしら。でも映画よりはTV向きなのは確かですなあ。Mr.ナンシーはモーガン・フリーマン以外思いつかないけど。



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2011年05月30日

翼の贈り物

大好きなラファティの新刊なんだけど、読了までにえらい時間かかってしまいました。
ラファティの敬虔なキリスト教信者としての側面がよく出ているお話をセレクトした短編集。訳文の影響も大きいだろうけど、「いつものラファティ」からすると固めで感傷的な話が多め。が、苦虫ジョンなどおなじみのメンバーも出てきます。
お気に入りは異国趣味が楽しい「マルタ」、賑やかなラブコメ(嘘)「なつかしきゴールデンゲイト」、ラファティ印の明るい残酷「最後の天文学者」と「ユニークで斬新な発明の数々」あたり。


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2011年01月16日

最近読んだ本

キャットと魔法の卵


クレストマンシーの最新刊。と言っても出たのはずいぶん前で、やっと読みました。今回はキャット少年とクレストマンシー城周辺がメインですが、ご近所の騒動が実は世界の隠された事実と繋がっていて、それがまたキャット自身も知らなかった能力の発露に繋がっていて・・・というお話。
このシリーズはどれも面白いですが、今回も外さず。児童文学で介護問題までさらりと入れてくるところはさすがというか。重くならずに問題提起できるのはファンタジーの強みでしょうか。
今回でキャット周辺の役者が揃ったので、ぜひとも続編が読みたいところです。クリストファーみたいに15歳くらい、クレストマンシーになった大人のキャット、と書いてくれないかなあ。実写化も一度観てみたいです。DWJは作品量のわりに映像化が少ないし・・・。

最後のウィネベーゴ


特別ファンというわけでもないけど、なんとなく読んでしまうのが宮部みゆきとコニー・ウィリス。読みやすいんですよね。で、これはウィリスの中短編集。
「女王様でも」がお気に入り。女性ならではのテーマを皮肉をきかせつつもSFとして上手く料理しています。世間がなんと言おうと、アレは無い方がいいに決まっている!
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2011年01月09日

『拷問者の影』『調停者の鉤爪』(新しい太陽の書)

ジーン・ウルフ「新しい太陽の書」1,2巻です。長らく部屋に積んでありましたが、年末にまとめ読み。主人公がやたらもてまくりなところも含めて王道ヒロイックファンタジーでありつつも、滅びゆくどこかの惑星を舞台にしているSFでもあり、そこかしこにほのめかしや伏線が散りばめられていて、ぼんやり読んでいてしばしば迷子になってしまいました。間違いなく要再読な本。最終巻までたどり着いたあと、3回くらい読まないと理解できなさそう。
1,2巻は主人公セヴェリアンの少年時代と旅立ち、恋人との出会い、その他諸々。「その他」ってなんだよ!と自分でも思うけど、抽象的な出来事や挿話が多すぎて、今後どんな形で絡んでくるか見当がつかないのです。恐らくストーリーそのものは王道だろうから、セヴェリアンが惑星を救う救世主になるのでしょうけど。本格的な幻想譚が読みたい人にはオススメ。



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2010年12月28日

エステルハージ博士の事件簿

「事件簿」と銘打っていますが事件は解決したりしなかったりします。冒険譚や推理小説ではなく、事件を背景に落日間際の架空の東欧の小国をエステルハージ博士と共にさ迷い歩く、というようなお話。しばしば作中で脱線して語られる大量の蘊蓄もあいまって、煙に巻かれたような、きつねにつままれたようなふわふわした気分のまま読んでいて、途中さっぱりわけがわからないんだけど、最後まで読むと存在しない滅びゆく国の運命に想いを馳せて切なくなってしまうという。デイヴィッドスンの弱者への目線の温かさのせいでしょうか。
なお、短編集ではなく連作なので、巻末解説の通り最初から順番に読まないと味わいが分からない仕組みになっています。

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